- 1. 本約款は、平成24年1月26日に制定する。
- 2. 本約款は、平成24年5月1日に施行する。
「相撲競技観戦契約約款」の要旨
- 「相撲競技契約約款」（以後「約款」という。）の要旨は以下の通りです。
-
- 1. 平穏観戦権（約款第1条）
- 円滑な競技進行と観客の安全・平穏な競技観戦を確保する事を目的にする。
-
- 2. 観戦（入場）契約（約款第2条）
- 相撲競技観戦を希望する者が、正規入場券を取得したとき、本約款に基づき成立する。
-
- 3. 暴力団排除（約款第3条、6条、10条）
- 暴力団またはこれに類する反社会的団体に所属する者等に対し、相撲協会は入場券の販売を拒否することができる。入場後に判明した場合、退場させることができる。
-
- 4．入場券の転売禁止（約款第4条）
- 相撲協会の許可無く、営利目的でかつ業として行われる入場券の転売は禁止する。
-
- 5. 持ち込み禁止物（約款第5条）
- 危険物、ビン、缶類等の相撲場への持ち込みを禁止する。
-
- 6. 禁止行為（約款第8条）
- 自由席を必要以上に占領する行為、会場への乱入、物の投げ入れ等を禁止する。
-
- 7. 入場拒否・退場措置（約款第6条、10条）
- 持ち込み禁止物を持ち込もうとする者、禁止行為を行った者等に対し、協会は入場を拒否し、または退場させることができる。
-
- 8. 販売拒否対象者の指定（約款第11条）
- 持ち込み禁止物を持ち込んだ者、禁止行為を行った者等について、主催者は販売拒否対象者に指定し、入場券の販売を拒否することができる。
相撲競技観戦契約約款
第1章 総則
第1条（目的）
- 第1項
- 本約款は、公益財団法人日本相撲協会（以下「相撲協会」という）及び相撲協会から相撲競技に関する興行の許諾を受けた者（以下、相撲協会とあわせて「主催者」という。）の主催する相撲競技の観客の観戦に関する事項を定め、円滑な相撲競技進行と観客の安全かつ平穏な相撲競技観戦を確保することを目的にする。
- 第2項
- 本約款において、以下の用語の意義は、特に文脈上他の意義を有することが明らかな場合を除いて、それぞれ各号に定めるところによる。
- 1. 「相撲場」とは、相撲競技の行われる土俵、相撲競技観戦のための座席、その他競技開催に必要な関係施設をいい、「相撲場管理者」とは当該相撲場を管理運営する主体をいう。
- 2. 「協会員」とは、相撲協会に属する年寄、力士、行司、若者頭、世話人、呼出、床山をいう。
- 3. 「相撲競技」とは、協会員により運営される相撲のことをいう。
- 4. 「入場券」とは、主催者または主催者から委託を受けた者が発行した相撲場への入場及び相撲競技観戦のための証票をいう。
- 5. 「正規入場券」とは、入場券のうち、相撲観戦を希望する者が、主催者または主催者の指定する者から取得したものまたは第4条の定めに違反することなく第三者から取得したものをいいそれら以外の態様で取得された入場券、副券が切り離された入場券、入鋏済みの入場券、もぎり済みの入場券、その他主催者が別途定める入場券を含まない。
- 6. 「相撲競技観戦契約」とは、入場券の券面記載の日時及び場所における相撲場への入場ならびに入場券により指定された座席または開催場所における相撲競技観戦に関わる契約をいう。
- 7. 「主催者の職員等」とは、主催者の役員及び正職員のほか、契約社員、臨時雇員、派遣社員その他主催者の指揮監督に服する者及び請負契約、委託契約その他の契約に基づき主催者のために役務を提供する警備員等、運営人ならびに相撲場管理者の関係者その他をいう。
第2章 観戦契約
第2条（契約の成立）
- 第1項
- 相撲競技観戦契約は、相撲競技観戦を希望する者が、正規入場券を取得したとき、本約款に基づき成立する。
- 第2項
- 正規入場券を有する者は、正規入場券の定めに従い、本約款及び主催者が予め告知した条件に基づき、相撲場に入場し、指定された座席または場所において相撲競技を観戦することができる。
- 第3項
- 観客は、相撲場への入場に際し、主催者所定の方法により、正規入場券を提示したうえで改札を受けるものとし、また、入場後においても相撲場を退出するまでの間、正規入場券の半券を保持し、主催者の職員等の求めがある場合、これを提示しなければならない。
- 第4項
- 入場券及び入場に関する細目については、第7条の規定によるほか、別途、主催者において定めるものとする。
第3条（販売拒否事由）
- 第1項
- 主催者は、以下の各号の一に該当する者に対し入場券の販売をしない。また、その者が当該事由にかかわらず、自らまたは第三者を通じ入場券を取得した場合、主催者はその者に対し、第6条に基づき入場を拒否することができる。
- 1. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律（平成3年5月15日 法律第77号）第2条の暴力団またはこれに類する反社会的団体（以下「暴力団等」という）に所属する者（以下「暴力団員等」という）
- 2. 暴力団員等でなくなった時から5年を経過しない者
- 3. 暴力団等または暴力団員等と組織上または業務上の関係を有しまたは当該関係を有する団体に所属する者
- 4. 暴力団等または暴力団員等に対し、資金その他の便益を提供しまたは社会的に相当と認められない密接な関係を有する者
- 5. 第4条に違反する行為を目的として入場券を取得する者
- 6. 相撲競技（主催者の主催しないものを含む）において、第4条に違反する行為、相撲場もしくはその管理区域内での行為または組織的な応援に関する活動に関連して罰金以上の刑の言渡を受け、当該裁判の確定の日から5年を経過しない者
- 7. 自らまたは第三者を通じ、主催者が別途定める一人あたりの取得制限枚数を超えて入場券を取得する者（団体の場合は当該団体に所属する者すべてを対象とする。）
- 8. 第11条により販売拒否対象者として指定された者
- 9. その他入場券の販売をしないこととする相当の理由があると主催者が判断した者
第4条（転売等の禁止）
- 第1項
- 何人も第三者に対し、主催者の許可を得ることなく、入場券を転売（インターネットオークションを通じての転売を含む）その他の方法で取得させてはならない。ただし、家族、友人、取引先、その他これらに類する特定の関係に基づき、営利を目的とせず、かつ、業として行われない場合については、この限りでない。
第5条（持込禁止物）
- 第1項
- 何人も、主催者に許可された場合を除き、相撲場に以下の物を持ち込んではならない。
- 1. 銃砲刀剣類、花火、爆竹、劇薬物、その他危険物
- 2. 著しい悪臭を放ち、観戦を妨げる音量を発し、又はその他の態様で他の観客の観戦を妨げるおそれのある物
- 3. ビン類、缶類、アイスボックス及びこれらに類する物
- 4. ペットその他の動物（ただし、盲導犬、聴導犬等を除く）
- 5. 過度な座席確保を目的とする物
- 6. その他主催者、相撲場管理者が別途指定する物
- 第2項
- 前項の実効性を確保するため、主催者は、入場時に観客の鞄、袋その他の開披及び内容の提示を求め、手荷物検査を行うことができる。
第6条（入場拒否）
- 第1項
- 主催者は、以下の各号の一に該当する者の相撲場への入場を拒否することができる。
- 1. 正規入場券を所持せずまたはその提示をしない者
- 2. 第3条の販売拒否事由に該当する者
- 3. 第5条1項持込禁止物の持込をしようとしまたは同条2項の手荷物検査に応じない者
- 4. 第8条の禁止行為に違反しまたはその虞のある者
- 5. 著しく酒気を帯びている者
- 6. 相撲競技の円滑な進行を妨害しまたはその虞のある者
- 7. 他の観客の観戦に著しい支障を生じる行為を行いまたはその虞のある者
- 8. その他入場を拒否することが相当と主催者が判断した者
第3章 観戦
第7条（入場及び退場）
- 第1項
- 観客は、主催者が定めた時刻から相撲場に入場することができ、相撲競技が終了したときは、主催者の職員等の指示に従い、速やかに相撲場から退場しなければならない。
- 第2項
- 何人も、相撲競技観戦において、次条及び第9条に定めるほか、主催者が適宜定める注意事項を遵守し、また、主催者の職員等の指示を遵守しなければならない。
第8条（禁止行為）
- 第1項
- 何人も、主催者の許可を得ることなく、以下の行為を行ってはならない。
- 1. 正規入場券により指定された座席以外の座席を占拠し、または、通路、階段、出入り口、避難通路や施設等、座席以外で観戦する行為
- 2. 自らの相撲競技観戦に不要な自由席や立ち見場所等を確保する行為
- 3. フラッシュ、光線により、視界を遮る行為、その他これらに類するものを使用した競技進行妨害
- 4. 相撲場の施設・設備の破損、毀損行為
- 5. 物品販売、宣伝広告、アンケート又はチラシの配布、その他これらに類する行為
- 6. 他の観客及び相撲競技関係者（土俵上含む）、主催者及びその職員等への粗暴行為（暴言、脅迫、恐喝、威嚇、暴力行為）、誹謗中傷その他の迷惑を及ぼす行為
- 7. 座席の確保、応援、観戦その他に関し他の観客に対し金品その他の利益を求める行為
- 8. 土俵上への乱入、土俵、座席、通路、階段等の相撲場への物品の投げ入れ、柵、手すり等へのよじ登りやまたがり行為、座席範囲以上に身を乗り出す行為、その他自己または他人の生命、身体、財産に危険を及ぼす虞のある行為
- 9. 土俵、仕切り柵外、その他の立入禁止場所への立入行為
- 10. 宴会、パーティ、賭博、その他相撲競技観戦にふさわしくない行為
- 11. 相撲場内外でみだりに気勢を上げ騒音を出す行為
- 12. 相撲場管理者の定める相撲場管理に関する規則又は相撲場での掲示その他の方法で告知された注意事項に違反する行為
- 13. 相撲競技の円滑な進行または他の観客の観戦を妨げまたは妨げる虞のある行為
- 14. 入場券を犯罪の用に供する行為
- 15. 過剰な応援、その他理由の如何を問わず、他の観客に損害を及ぼしうる行為
- 16. 主催者の職員等の指示に反する行為
- 17. その他、主催者が相撲競技振興及び施設管理運営の妨げとなると判断した行為または他の観客に迷惑を及ぼすと判断した行為
- 第2項
- 前項の規定に違反した者（団体の場合はその構成員全員。本項において以下同じ）又は主催者の職員等がこれに準じた相当の理由があると判断した者は、身分証明書の提示、顔写真の提示その他主催者の職員等の指示する事項に従わなければならない。
第9条（応援行為）
- 第1項
- 何人も、主催者の許可を得ることなく、相撲競技観戦に際し、以下の各号の応援行為をしてはならない。
- 1. トランペット、太鼓、笛、金物類その他の楽器またはこれに類する物を使用した応援
- 2. 応援旗、横断幕等の他の来場客の相撲競技観戦に支障を及ぼす虞のある物を使用した応援
- 3. 観客を組織化しまたは観客の応援を統率して行われる集団による応援
- 4. その他主催者が別途指定した方法による応援
- 第2項
- 何人も、相撲競技の応援において、主催者が適宜定める注意事項を厳守し、また、主催者の職員等による指示に従わなければならない。
- 第3項
- 本条1項の許可の基準及び手続は、別途、相撲協会において定める。
第4章 違反者に対する措置
第10条（退場措置）
- 第1項
- 主催者は、以下の各号の一に該当する観客につき、相撲競技中その他如何なる場合でも、相撲場から退場させる。ただし、当該観客が、速やかに退場事由を解消し、かつ、他の観客に対する迷惑のの程度が軽微と認められる場合、主催者は退場を猶予することがある。
- 1. 第3条の販売拒否事由に該当する者である場合
- 2. 第5条1項の持込禁止物を相撲場内に持ち込んだ場合
- 3. 第6条の入場拒否事由に該当する者である場合
- 4. 第8条の禁止行為に違反した場合
- 5. 第9条に基づく許可を得た者または団体が、その許可の範囲を逸脱しまたは許可に付された条件に反する行為を行った場合
- 6. 主催者の職員等による指示を遵守しない場合
- 7. その他前各号に準ずる退場事由があると主催者が判断した場合
- 第2項
- 主催者が退場を相当と認める場合において、主催者の職員等の退場要求にもかかわらず観客が退場をしない場合、主催者は、警察へ通報しまたは相当と認められる態度で退場を促すため措置を措置を講じることができる。
第11条（販売拒否対象者の指定）
- 第1項
- 持込禁止物を持ち込んだ者、禁止行為に違反した者、禁止された応援行為を行った者、その他本相撲競技観戦契約約款に違反した者、相撲競技観戦契約約款に関する手続で虚偽又は誤解を招く申述をした者、（これらの行為をした者が団体である場合にはその構成員）で、主催者が当該行為を悪質であると判断するとき、主催者は、当該違反者（違反者が団体の場合にはその構成員）を第3条の販売拒否対象者として指定する。
- 第2項
- 何人も主催者の前項の判断に何ら異議を出すことはできない。
- 第3項
- 本条1項の指定を受けた者は、身分証明書の提示、顔写真の提示その他主催者の職員等の指示する事項に従わなければならない。
- 第4項
- 主催者は、本条1項の指定を受けた者が、その行為を反省し、今後当該違反行為の虞がないと認めた場合、日本相撲協会暴力団等排除対策委員会における協議を経たうえで、当該指定を解除することがある。
- 第5項
- 主催者は、前項の指定解除に関する判断のために必要と認めるときは、特定の相撲競技または特定の期間の相撲競技につき経過観察の期間を設け、当該期間内の相撲競技観戦または応援の態度が良好であったことを条件とすることができる。
第5章 入場料の払戻等
第12条（入場料の払戻）
- 第1項
- 第6条に基づく入場拒否または第10条に基づく退場措置の場合は、主催者は入場料の払戻はしない。
- 第2項
- 前項に定めるほか、入場料の払戻の条件及びその詳細は、別途、主催者において定める。但し、払戻事由の如何を問わず、正規入場券以外の入場券の払戻はしない。
第13条（責任の制限）
- 第1項
- 主催者及び相撲場管理者は、観客が被った以下の損害の賠償について責任を負わないものとする。ただし、主催者の職員等または相撲場管理者の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない。
- 1. 暴動、争乱等の他の観客の行為に起因する損害
- 2. 相撲競技、その他ファンサービス行為に起因する損害
- 3. 相撲場施設に起因する損害
- 4. 本約款その他主催者の定める規則または主催者の職員等の指示に反した観客の行為に起因する損害
- 5. 第6条の入場拒否または第10条の退場措置に起因する損害
- 6. 主催者の職員等による指示を遵守しない場合
- 7. 前各号に定めるほか、相撲競技観戦に関して、相撲場及びその管理区域内で発生した損害
- 第2項
- 前項但書の場合において、主催者は相撲場管理者が負担する損害賠償の範囲は、治療費等の直接損害に限定されるものとし、逸失利益その他の間接損害及び特別損害は含まれないものとする。ただし、主催者の職員等または相撲場管理者の故意行為または重過失行為に起因する損害についてはこの限りでない。
- 第3項
- 観客は、相撲競技において競技者（力士、行司）の転倒または場内の飛来物等に常に注視し、自らが損害を被ることのないよう十分注意を払わなければならない。
第6章 その他
第14条（遺失物の取扱）
- 第1項
- 相撲場内の遺失物の取扱については、遺失物法第１３条に基づき主催者にて、対処されるものとする。
第15条（詳細の定め）
- 第1項
- 相撲競技観戦に関するその他の詳細については、別途主催者において定めるものとする。ただし、各相撲場により、別途利用規約等がある場合は、この限りではない。
第16条（管轄）
- 第1項
- 相撲競技観戦契約に関する観客と主催者との間の紛争については、主催者の本所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所をもって、第１審の専属的管轄権を有する裁判所とする。
第7章 附則
第17条（本約款発行前の行為）
- 第1項
- 本約款の発効日以前の行為が、本約款が適用されたとすれば、第11条1項に該当する場合、相撲協会または主催者は、同条1項に基づき、その者を第3条の販売拒否対象者として指定することができる。
第18条（改廃）
- 第1項
- 本約款は、公益財団法人日本相撲協会理事会において改訂することができ、改訂された約款は、当該改訂の施行日以降に開催される相撲競技に関する相撲競技観戦契約に適用される。
第19条（効力）
- 第1項
-
1. 本約款は、平成24 年1月26日に制定する。
2. 本約款は、平成24年5月1日に施行する。
各相撲場により、別途利用規約がある場合は、この限りではない。
