巡業の一日
巡業は、相撲道の普及、地域の活性化、青少年育成を目的として行われています。
一日の流れを簡単にご紹介します。早朝の稽古から始まり、力士の取組を経て、午後3時頃に打ち出し(終了)となります。
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~前日 巡業地へ出発
親方や力士など大相撲一行、約270名は前日、巡業地に乗り込みます。
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9:00頃 開場~朝太鼓
開場時間に合わせ、呼出しが会場の外で太鼓を打ち、開場を知らせます。
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~9:30頃 幕下以下稽古
早朝から幕下以下の力士が、明日の関取をめざし、激しい稽古に精進します。
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9:30頃~11:30頃 十両・幕内の稽古
十両の関取から幕内・大関・横綱と激しい稽古が続きます。
時間を追うごとに番付上位の関取衆の稽古が展開されます。力士の鍛錬の様子を目の当たりにできます。
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12:00頃~ 取組開始
幕下以下の力士の取組がいよいよ開始、地元出身の力士が出ると場内の歓声が一段と大きくなります。
序二段、三段目、幕下と若い力士の取組が進みます。
また、取組の間に初切(しよっきり)や相撲甚句(すもうじんく)・櫓太鼓打分(やぐらだいこうちわけ)など本場所では見られない一味違ったお好み(催し物)があります。
その他、勧進元が提供する様々なお好みコーナー(人気力士の髪結い実演、横綱綱締め実演、など)も取組進行中に入ることもあります。
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13:30頃~ 土俵入り
化粧廻しを締めた十両力士の土俵入りのあと、幕内をめざす若武者や円熟した取り口のベテランが対戦する十両取組があります。
中入り(休憩)のあと、絢爛豪華な化粧廻しを締めた幕内力士の土俵入りです。
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13:30頃 横綱土俵入り
太刀持ち、露払いを従えての横綱土俵入り。
土俵の華であり、大相撲400年の歴史が誇る相撲美の集大成であります。
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13:50頃 幕内取組
相撲道を極めた幕内力士の熱戦。テレビでおなじみの力士が登場します。
結びの一番は大いに沸き、館内の盛り上がりが最高潮に達します。
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15:00頃 弓取式~打ち出し(終了)
結びの一番が終わると、1日を締めくくる弓取式が行われ、興行が終了となります。
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15:30頃 次の巡業地へ
力士たちは、バスに乗って、次の巡業地に向かいます。
お好み(催し物)
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相撲甚句(すもうじんく)
美声力士による「相撲甚句」。昔は甚句のことを型と呼んでいました。
土俵の上で攻める型、守る型を見せながら唄っていました。
現在は化粧廻しを締め、手拍子・足の音頭に合わせて唄っています。
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初切(しよっきり)
2人の力士が、相撲の禁じ手や珍しい決まり手をコミカルにわかりやすく説明します。
古く江戸時代より行われており、初切の「初」は「始め」、「切」は「終わり」の意味です。
相撲の技を見せ技から技へと移り変わるところに妙味があります。
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櫓太鼓打分(やぐらだいこうちわけ)
「名人呼出し 太郎」がお好みとして披露をはじめたものです。
- 寄せ太鼓
- 相撲協会の前身相撲会所の時代、相談事があった時親方衆を呼び寄せる時の合図。
- 一番太鼓
- 天下泰平・五穀豊穣を祈って行われていました。清めの太鼓と言われ、昔は真夜中の2時か3時に打たれていました。
- はね太鼓
- 相撲が終わると同時に打たれ皆様に向かい「ごきげんようお帰りください。また明日もおいでをお待ちしています。」と打たれています。 従って1日興行や千秋楽では打たれていません。
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髪結実演(かみゆいじつえん)
床山が大銀杏を結う様子を実演します。
十枚目以上の力士が結うことのできる大銀杏。
頭頂部に乗った髷のはけ先がイチョウの葉の形に似ていることからこの名で呼ばれます。
床山が大銀杏を結う技術を習得するには10年以上かかると言われています。